アレクサンダーテクニークとは?身体への影響と具体的な実践方法

アレクサンダーテクニークとは?身体への影響と具体的な実践方法
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アレクサンダーテクニークってちょっと調べただけではよく分からない人もいると思います。人によっては怪しい宗教なんじゃないかと思う人もいうかもしれません。

しかし、これはスキルであり、技術であり、方法論です。

楽器を吹くときにアレクサンダーテクニークを使えれば効率よく演奏ができるようになります。

この記事を読むことでアレクサンダーテクニークへの理解が深まり、楽器を吹くときにも応用しやすくなります。

 

アレクサンダーテクニークの創設者FMアレクサンダーについて

アレクサンダーテクニークは19世紀生まれの俳優・朗唱家であるフレデリック・マサイヤス・アレクサンダーという方によって考案されました。

 

突然、声が出なくなった。

アレクサンダー自身はプロの俳優として活動していた頃、舞台の上で声を出そうとしたとき突然声が出なくなるという問題に直面してまいました。

しかし、彼は最終的に医者に治療してもらうことを諦め、自分自身でこの問題を解決しようと決心することになります。

もちろん医者に診てもらい何日か休むように勧められたようです。最初はアレクサンダーもその提案に従い、本番まで声を出さず、休養を取りました。おかげで声の調子はだんだんと良くなっていきました。

しかし、いざ舞台の上で声を出すと、またしても彼の声は枯れて出なくなってしまったのです。

彼は自身が書いた著書テクニークの進化の中でこう述べています。

「それならば、あの夜、私が声を使うときにやっていた何かがこれを引き起こしたと考えるのが妥当ではないですか?」中略。わかりました。もしそうなら私は自分自身で探さなければいけないということですね。

アレクサンダーは自分自身の力だけで声が出ない原因を突き止める必要があったのです。

 

鏡を見て自分のくせに気づく。

彼はさっそく鏡を購入し、自分を観察し始めました。

その結果アレクサンダーは声を出す瞬間に自身の無意識の癖によって声が出なくなっていたことに気付きます。

以下の2点が発声する瞬間に起こっていることを発見したからです。

  • 声を出す瞬間に、頭の動きを固めている。
  • その影響で身体全体の動きが硬くなり声が枯れる。

また彼はその後の実験の結果、

頭の繊細な動きが身体全体の動きに影響すると思いながら発声すると声が出る。

ことも発見しました。

彼自身はここから、どうすれば習慣になってしまった癖を意識的に変えられるのかについて探求していくことになります。

これがアレクサンダーテクニークが考案されたきっかけです。

 

 

頭と脊椎の関係が身体全体に与える影響について

首は身体の様々なバランス調整を行うところです。

なのでここの動きが悪くなると当然、身体が動きにくくなったり呼吸しにくくなたりします。

 

 

頭は繊細に動き続けている。

上の画像をご覧ください。このように頭蓋骨は脊椎の上に乗っかって脊椎の上でコロコロと動き続けています。

なぜならぼくらの頭というのは、球型になっているからです。

しかし、大抵の人は頭が脊椎の上に乗っかっているのではなく固定されていると思っています。

僕もアレクサンダーテクニークを学ぶまでは同じように考えていました。

ぼくらの頭は動いていないように見えても実際は微細な動きがあるんです。

 

アレクサンダーテクニークを使ってみよう。

さっそくアレクサンダーテクニークを使ってみましょう。

以下の3つの実験を通して身体の変化に気付いてみてください。

 

実験①両手を上に挙げてみる。

以下の手順で両手を上にバンザイしてみてください。

手がどこまで上がるか、または上がるスピードや楽に上がるかどうかなど色んな変化を感じ取れると思います。

  1. 普段通り両手を上に挙げる。
  2. 頭を脊椎の方向に押し下げ、両手を挙げる。
  3. 押し下げるのをやめて両手を挙げる。
  4. 頭が繊細な動きが脊椎や身体全体に影響すると思いながら両手を挙げる。

恐らく2が最も手を上げにくく、4が最も楽に上げられたのではないでしょうか?

 

 

実験②息を吸って吐いてみる。

今度は息を4拍吸って4拍吐きます。

先ほどと同じように、以下の手順で呼吸をしてみてください。

  1. 普段通り4拍吸って4拍吐く。
  2. 頭を脊椎の方向に押し下げ、4拍吸って4拍吐く。
  3. 押し下げるのをやめて4拍吸って4拍吐く。
  4. 頭が繊細な動きが脊椎や身体全体に影響すると思いながら4拍吸って4拍吐く。

息の吸いやすさや吐きやすさの身体の変化に気付くと思います。

恐らく2が最も呼吸しにくく、4が呼吸が楽になったのではないでしょうか?

 

 

 

実験③楽器を使って音を出してみる。

では最後にご自身の楽器を使って音を出してみましょう。

ここではチューニングBを4拍ロングトーンします。音の変化や身体の変化に注目しながら吹いてみてください。

  1. 普段通り4拍ロングトーンする。
  2. 頭を脊椎の方向に押し下げ、4拍ロングトーンする。
  3. 押し下げるのをやめて4拍ロングトーンする。
  4. 頭が繊細な動きが脊椎や身体全体に影響すると思いながら4拍ロングトーンする。

恐らく2が最も音が出しにくく、4が楽にロングトーンできたのではないかと思います。

 

まとめ

ここまでアレクサンダーテクニークについて解説してきました。

  • アレクサンダーテクニークはFMアレクサンダーによって考案された。
  • 頭は脊椎の上で繊細に動き続けている。
  • 頭の繊細な動きが呼吸のし易さや身体全体の動きに影響する。

この言葉自体が聞きなれないので毛嫌いする人も多いです。しかし、実際は楽器を吹くためにとても役立つツールなんです。

ご自身で色々と試してみてくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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