・練習量を増やしているのにバテてしまう。
・もっと練習したいけどこれ以上は口が限界!
・いつも途中で唇がバテて曲を吹き通せない。
自分も仕事でこの問題にはかなり悩まされました。
最初は合わせる時も途中で音が鳴らなくなったりして本番で無事吹き通せるか不安で仕方ありませんでした。
ですが試行錯誤を重ねていくことで以前よりもハードなプログラムをこなせるようになってきました。
唇のバテ=練習不足だと考える人は多いですが実はそれが原因とは限りません。
吹き方や歌い方、練習の仕方など色々な要素が積み重なってバテにつながるからです。
今回は唇がバテる原因と改善方法について紹介します。
もくじ
バテは症状ではなく現象
そもそも唇がバテて吹けなくなったときにもっと練習しなきゃいけない!と思い詰める必要はありません。
残念ながら金管楽器はどんなに練習量を増やしても全くバテないように吹くことは不可能だからです。
例えばこの自動演奏ロボットですら吹き続けると人工の唇がバテて音が外れてしまいます。
どんなに技術があっても鍛えても休みなく吹き続けていればバテてしまいます。
大切なのはバテないように鍛えるのではなくバテを遅らせる吹き方に工夫することなのです。
唇がバテる3つの原因
唇がバテる原因には以下の3つが考えられます。
それぞれ解説します。
・限界を超えて練習している。
・唇を無理に振動させている
・ソルフェージュ
限界を超えて練習している。
自分の限界を超えた音域や音量、練習量だと口はバテやすくなります。
アンブシュアを支える筋肉に負担がかかって消耗してしまうからです。
負荷をかけ唇の筋肉を鍛えることは大切ですが無理をして吹き続けて力んだ癖がついてしまうと余計にバテやすくなります。
でも目安はどんなに多くても3〜4時間練習できたら十分かな。もっと多い人もいるけど、
自分の口と相談しながら練習していこう。
唇を無理に振動させている。
特に息を吸うのが浅かったりすると唇を直接操作したり息を押し込んだりして無理に振動させることになります。
するとアンブシュアに負担がかかりやすくなります。
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反対に無理に息を吐いていると身体が力んで吸えなくなっていっちゃう。
これがバテの正体。
ソルフェージュ
音程やリズム、音色などがあらかじめイメージ出来ていないと他の楽器と合わせた時に音色がズレていたり微妙に音程が合っていないためバテやすくなります。
どうしても身体が反応するまでに時間がかかってしまうからです。
バテの対処方法
ここからは唇の消耗を減らす方法について紹介します。
以下の6つです。それぞれ解説します。
・こまめな休息
・アレクサンダーテクニーク
・楽譜に書かれた音楽を具体的にイメージする。
・身体の構造に沿った吹き方に工夫する
・限界値を伸ばす
・クールダウン
こまめな休息
バテを防止するには少しでいいから唇をマウスピースから離す時間を作ってください。
自分も以前は本番で音を外したくなくて休める時間があっても唇を楽器から離さないようにしていました。ですがその方が唇の血流が悪くなってバテるのが早まってしまうんです。
シンドイ本番ほど以下の2つを意識すると唇が消耗にくくなるでしょう。
・数小節であっても素早く唇を離せるように訓練しておく。
・水抜きをするときに焦らず時間をかける。
余裕を持って吹けるラインの限界値を伸ばす。
普段の練習から余裕を持って吹けるラインの幅を伸ばしていきましょう。
特に以下の3つの限界値を伸ばせるようになると効果的です。5分10分という短い時間でも構わないのでチャレンジしてみてください。
・吹き続けられる時間
・音域の広さ
・音量の幅
アレクサンダーテクニーク
アレクサンダーテクニークを使うことで頭と脊椎の関係が有利になればそれだけ、身体全体の動きが良くなります。
頭と脊椎の動きとは?
頭の後ろ側にある筋肉は肋骨周辺や骨盤周辺にまで関連し合っています。
なので頭の動きが制限されたりすると呼吸に影響が出て息が流れにくくなります。
ここで実験をしてみましょう。
①普段通り、10秒間真ん中のFをロングトーンする。
②頭を脊椎の方向に押し下げて10秒間真ん中のFをロングトーンする。
③2をやめて10秒間真ん中のFをロングトーンする。
④頭の繊細な動きが身体全体に影響すると思いながら10秒間真ん中のFをロングトーンする。
どんな違いがあったでしょうか?おそらく②が最もバテが速く、④がバテにくくなったのではないでしょうか?
身体の構造に沿った吹き方に工夫する
構え方や息の吸い方など実際の身体の構造や動きに沿ったやり方でないと負担がかかって無理が出てくることがあります。
息の吸い方と吐き方のヒント
楽器を吹くとき普通は息は前に吐こうとしますよね。
ですが実際は息を吐くときに空気は上方向に進んでいます。
このような実際の身体の構造に沿って吹くことで効率良く音を出すことができます。
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構え方のヒント
構えたときに本来必要のない身体の力みを生んでしまうとバテやすくなります。息の流れを制限してしまうからです。
・斜角筋。
・肋骨挙筋、
・大胸筋、
・小胸筋、
・脊柱起立筋
・菱形筋
・広背筋
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音楽を具体的にイメージする
リズムやテンポ、ダイナミクスなど詳細にイメージできていればいるほど唇はバテにくくなります。
自分が何を表現するかが明確であればあるほど身体の準備がしやすくなるからです。
以下の取り組みをしてみましょう。
・歌ってみる。
・音楽を聞いてイメージを作る。
・楽譜を読んで曲の流れや和音を分析する。(アナリーゼ)
歩く場所が分からないで歩くのと分かっている状態で歩くのとでは身体にかかる負担が違ってきますよね。
それと同じようにあらかじめ詳細なイメージができていれば、少ないエネルギーで音を出すことができます。
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クールダウン
練習し過ぎた後はしっかりとクールダウンをして唇をケアしてあげましょう。
特に吹きすぎた後にケアをしないと次の日に変な癖が残ったり唇が開いたままになってバテやすくなってしまいます。
・pでのロングトーン
・中音域のリップスラー、
・ノータンギング
などの練習がオススメです。
まとめ
ここまで唇のバテを減らす方向について紹介してきました。
唇のバテを完全に無くすことは無理かもしれませんが、以下の6つを取り入れて練習すれば今よりも長い時間吹き続けられるでしょう。
・こまめな休息
・限界値を伸ばす
・アレクサンダーテクニーク
・身体の使い方
・音楽を具体的にイメージする。
・クールダウン
ここまでお読み頂きありがとうございました。
イマイチ原因がわからないかったり自分が身体をどうやって使っているかは一人では気が付かないことがあります。
もし直接相談したい方がいたらレッスンを受けてみてくださいね。
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