ホルンを吹いて唇がバテる3つの原因と6つの改善方法

ホルンを吹いて唇がバテる3つの原因と6つの改善方法
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・練習量を増やしているのに持久力が身につかない。

・もっと楽に吹ける方法を知りたい。

・唇がバテて曲を吹き通せない。

 

まずはじめに言っておかなくてはいけない残念な事実があります。

金管楽器は全くバテないように吹くことは正直ほぼ不可能です。

その証拠に自分も10年以上ホルンを毎日吹き続けていますがキツイ曲だと唇がバテて音が鳴らなくなることがあります。

ですが試行錯誤を重ねていくことで以前よりもバテにくくなっていきました。

今回は唇がバテる原因と改善方法について紹介します。

 

唇がバテる3つの原因

唇がバテる原因には以下の3つが考えられます。

それぞれ解説します。

・過度な練習のやり過ぎ。

 

・無駄が多い吹き方をしている。

 

ソルフェージュが曖昧

 

過度な練習のやり過ぎ

練習をやり過ぎると唇はあっという間にバテてしまいます。

なぜなら金管楽器は唇の振動によって音を生み出しているからです。練習すればするほど唇が消耗して音が鳴りにくくなっていきます。

 

ピアノ奏者や打楽器奏者は1日8時間練習してるって聞くよ?やっぱりバテって練習不足なんじゃないの?

 

ピアノや打楽器は練習しても楽器が壊れたり鳴りにくくなることは基本ない。

むしろ腕や手の筋肉が鍛えられていくので練習量が増えれば自然と技術も上がっていきやすいんだ。

だから長時間の練習が可能。

 

でも金管は口の筋肉を鍛えても唇(リード)が振動しないと音が鳴らない。だから安易に1日8時間とか練習しようとすると危険だよ。
唇を怪我したり次の日までダメージが残って練習にならなくなってしまうからね。

 

じゃあ一日どれくらいの練習量が理想なの?
最終的に練習量は人によるかな。筋肉の量も違うからね。

でも目安はどんなに多くても3〜4時間練習できたら十分かな。もっと多い人もいるけど、

自分の口と相談しながら練習していこう。

自分でベストな練習量を探していくことが大事なんだね。

 

楽器の吹き方

効率の悪い吹き方をするとバテるのは早くなります。

無駄が多ければ唇にかかる負荷が多くなるからです。

以下3つにバテ原因のヒントがあります。

 

頭と脊椎の動き

頭の後ろ側にある筋肉は肋骨周辺や骨盤周辺にまで関連し合っています。

なので頭の動きが制限されたりすると呼吸に影響が出て息が流れにくくなります。

頭と脊椎の動きって何?
下の画像を見てみて?頭蓋骨ってAO関節でバランスを取り続けているんだよね。
ホントだ!首の関節の上で動いているんだね。
でもこの動きが制限されていると体全体の動きや肋骨の動きが制限されてしまうんだ。

もちろん息が流れていかないのでバテやすくなる。

身体の動きは連動し合ってるんだね。

 

息の吸い方と吐き方の効率性

金管は息を押し出すことによって唇を振動させる楽器です。

息の流れに任せて吹けていないとアンブシュアの筋肉に負担がかかりやすくなります。

でもなー。それが分かってても呼吸が浅くなっちゃうんだよね。
どうしても人間の感覚は唇周辺の方が敏感だからね。放っておくとどうしても呼吸は淺くなりがちなんだ。
息が吸えていないと無理に息を押し出さなくてはいけなくなるので身体が力んじゃう。

反対に無理に息を吐いていると身体が力んで吸えなくなっていっちゃう。

これがバテの正体。

 

交互が流れ続けていることが大事なんだね!

 

 

構え方

構えたときに本来必要のない身体の力みを生んでしまうとバテやすくなります。息の流れを制限してしまうからです。

構え方と呼吸ってあまり関係ないように見えるけど?

 

腕を動かすときに肋骨の動きを制限したり呼吸に関係する筋肉の動きを邪魔しちゃうんだ。

・斜角筋。

 

・肋骨挙筋、

 

・大胸筋、

 

・小胸筋、

 

・脊柱起立筋

 

・菱形筋

 

・広背筋

こんなにたくさんの筋肉が呼吸に関連してるなんて知らなかったなあ。

 

 

 

 

ソルフェージュが曖昧

音程やリズム、音色などがあらかじめイメージ出来ていないと他の楽器と合わせた時に音色がズレていたり微妙に音程が合っていないためバテやすくなります。

どうしても身体が反応するまでに時間がかかってしまうからです。

音楽のイメージって大切だね。

 

吹く前にどれだけ準備ができるからだよね。いろんな音楽を聴いたり吹く前に歌ってみたりすると良いよ。

 

 

 

 

 

 

バテの対処方法

ここからは唇の消耗を減らす方法について紹介します。

以下の5つです。それぞれ解説します。

・こまめな休息

 

アレクサンダーテクニーク

 

・楽譜に書かれた音楽を具体的にイメージする。

 

身体の構造に沿った吹き方に工夫する

 

限界値を伸ばす

 

・クールダウン

 

こまめな休息

バテを防止するにはまず練習の合間にこまめな休息を入れてください

なぜなら筋肉は回復を繰り返すことで発達するからです。

自分も以前は唇がバテたときは練習が足りないんだと考えてたくさん練習しようとしていました。ですが、筋肉は休ませて回復させないとそもそも発達しないのです。

例えば5分吹いたら5分休む。20分吹いた20分休むなどすることで口の筋肉も発達しやすくなります。

この休息時間は人によって異なるので色々と試して自分にとって一番いい時間を見つけてみてください。

 

 

 

アレクサンダーテクニークを使う

頭と脊椎の関係が有利になればそれだけ、身体全体の動きが良くなります。そのためにはアレクサンダーテクニークが非常に便利です。

ここで実験をしてみましょう。

①普段通り、10秒間真ん中のFをロングトーンする。

②頭を脊椎の方向に押し下げて10秒間真ん中のFをロングトーンする。

③2をやめて10秒間真ん中のFをロングトーンする。

④頭の繊細な動きが身体全体に影響すると思いながら10秒間真ん中のFをロングトーンする。

どんな違いがあったでしょうか?おそらく②が最もバテが速く、④がバテにくくなったのではないでしょうか?

 

 

 

音楽を具体的にイメージする

リズムやテンポ、ダイナミクスなどそれが詳細にイメージできていればいるほど、唇はバテにくくなります。

自分が何を表現するかが明確であればあるほど身体の準備がしやすくなるからです。

以下の取り組みをしてみましょう。

・演奏する曲を歌ってみる。

 

・CDやyouTubeから音楽を聞いてイメージを作る。

 

・和音を分析してみる。(アナリーゼ)

歩く場所が分からないで歩くのと分かっている状態で歩くのとでは身体にかかる負担が違ってきますよね。

それと同じようにあらかじめ詳細なイメージができていれば、少ないエネルギーで音を出すことができます。

 

 

身体の構造に沿った吹き方に工夫する

楽器を吹くとき普通は息は前に吐こうとしますよね。

ですが実際は息を吐くときに空気は上方向に進んでいます。

このような実際の身体の構造に沿って吹くことで効率良く音を出すことができます。

 

こちらも合わせて読んでみて

全ての管楽器奏者に役立つ!腹式呼吸の3つのポイント

楽に楽器が持ち上がる!ホルンの構え方の5つのポイント

 

 

余裕を持って吹けるラインの限界値を伸ばす。

限界を超えたラインで吹けば吹くほど口は速くバテてしまいます。

なので普段の練習から余裕を持って吹けるラインの幅を伸ばしていきましょう。

特に以下の3つをトレーニングすると効果的です。5分10分という短い時間で構わないので練習してみてください。

・何拍音を伸ばせるか。

 

・音域の広さ 

 

・音量の幅

 

 

 

クールダウン

練習し過ぎた後はしっかりとクールダウンをして唇をケアしてあげましょう。

なぜなら元々唇は消耗品だからです。吹けば吹くほど唇がバテていくのは本来自然なことです。

オススメなのはpでのロングトーンやリップスラー、中音域の半音階スラーです。

バテているときは上下の唇が開きやすいのでなるべく閉じやすくなる方法を取り入れると効果的です。

 

 

 

 

まとめ

ここまで唇のバテを減らす方向について紹介してきました。

唇のバテを完全に無くすことは無理かもしれませんが、以下の5つを取り入れて練習すれば今よりも長い時間吹き続けられるでしょう。

・こまめな休息

・アレクサンダーテクニーク

・音楽を具体的にイメージする。

・息の使い方

・クールダウン

ここまでお読み頂きありがとうございました。

 

 

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