9月23日、24日の2日間でコレペティトール・マスタークラスが新大久保で開催され自分もベートーヴェンの《ホルン・ソナタ》第1楽章を見ていただきました。
実はこのマスタークラスは毎年この時期に開催していて今回の参加は4回目。音楽をより深く学ぶために聴講で参加したり、レッスンしてもらってました。
器楽コレぺティトールの先生方からは毎回、歌い方やアンサンブルのことなどアドバイスをいただいています。今回も学びがたくさん。本当にありがとうございました!
🌍器楽コレペティトールとは?

コレペティトールとは、元々はオペラ歌手などの表現の音楽稽古をつけるピアニストですが、
器楽コレペティトールはピアノの伴奏をとおして支えながら、
・楽曲分析
・アンサンブル指導
・音楽的アドバイス
・音程やリズムの調整指導
・息遣いや練習方法
など音楽を一緒につくりあげる専門職です。
日本ではまだあまり知られていませんが、海外の音大では欠かせない存在。SNSや本からは得られない「音楽のブラックボックス」の部分を、直接体験できる貴重な機会でした。
「もっとピアノを聴いて!」基本的だけど奥深い指摘

レッスンで一番強く印象に残ったのは、何度も繰り返し言われた「とにかくピアノの音を聴いてみてください」というアドバイスでした。
もちろん可能な限りピアノを聴こうとはしているのですが、ついミスなく自分の楽譜を吹くことに精一杯になってしまい聞かなければならないところで聞けていなかったり細部まで注意を向けれていなかったのです。
レッスンでも聞くことの大切さを伝えている手前、全然できてなかったなと痛感して悔しかったのですが、「ただ聴く」のではなく、「もっと解像度高く音を聴く」ことの大切さを、改めて実感しました。
また、グループで音程やチューニングの調整についても細かくアドバイスをいただき、響きを合わせるという基本の部分を深く学ぶことができました。
🤝 アンサンブルの本質とは?

今回の体験で特に大きな学びだったのは、人とアンサンブルすることの本質です。
相手の音や表現をしっかり受け取る=インプットの技術がなければ、いくら基礎練習や技術を磨いても「投げ方だけ上手いけれどボールを持っていない」状態になってしまいます。
ただ、どうしても金管楽器のレッスンは「吹き方=アウトプット」に偏りがちです。
アンサンブルの本質は「受け取る力」にある。そのことを身をもって学ばせていただきました。また自分のレッスンだけでなく、他の参加者の演奏や先生方の指導を見学できたことも大きな刺激となりました。
頭では理解していたつもりでも、実際にやってみるとまだまだ自分の中に落とし込めていないことを痛感しました。
このマスタークラスで得たことは、自分の演奏に生かすだけでなく、生徒さんへのレッスンを通しても伝えていきたいと強く思います。
🎹 音楽をもっと深めて自分の表現力を磨きたい方へ
また、先生方も「コレペティトールの存在をもっと日本に広めたい」という思いから、最近新しい協会を立ち上げられました。
ホームページからは過去のアーカイブ動画も視聴できるそうです。僕自身も登録してみようと思っています。
「練習はしているけれど、もう一歩大人の表現に近づきたい」
「自分の音楽性をもっと広げたい」
そう思っている方にとって、必ず大きな学びになるはずです。