日頃レッスンしていて”楽器を練習する時間がなかなか作れない”。と感じている生徒さんが多いです。
『気合いでとにかく練習する時間を確保しなさい!』という声が聞こえてきそうですが、現実問題としてホルンのような管楽器となると練習場所の確保も一苦労です。スタジオを借りるといったらそれなりにお金もかかります。
ですが、練習できないと筋力の問題であったり感覚がつかめなかったりとせっかくレッスンに通ってるはずなのに上達が遅くなり勿体無いなと感じてしまうこともあるんですよね。
じゃあ練習しなくても練習の代わりになるアクティビティを作ればいいのではないか?と考えました。
これから紹介するのは楽器を吹く上で最低限必要な筋力や感覚を探求していく方法です。
ホルンの基礎力の4要素
①息を吸って吐く
②吐いた息で振動を発生させ維持し続ける。
③息のスピードコントロール
④タンギング
楽器を吹くという行為を分解していくと、大きくこの4つが僕らが普段練習していて無意識の間に磨かれてる感覚や力です。
何日も吹いていないと筋力が衰えてきたり、感覚を忘れてしまうというわけですね。
それを維持したり呼び覚ますワークになります。
この方法は、楽器を持っていなくても、家にいても、短い時間でも、意識して鍛えたり感覚を育てたりすることができます。
これを取り入れてみるだけで、いざ楽器を吹くときに「あれ?前よりスムーズに音が出る」と感じられたり、「ブランクの割に感覚が残っているな」と思えたりするはずです。
以下に、具体的にどんなことをしていくか、順番に紹介していきますね。
楽器を使わず基礎力を洗練する4つのワーク
全部で4つのワークを紹介します。どれも楽器を使わずにいつでもできることですので試してみてください。
- ブレスリサーチ
- フリーバジィング
- フリーウインド
- フリータンギング
🎵 ブレスリサーチ
息を5秒吸って5秒吐いてみましょう。
その時に以下の点を観察しながら探求してみてください。
・息を吸っているときにどこに力が入っているのか?
・肋骨や横隔膜がどのように動いているか?
・吐くときに何を意識すればストレスなく息を吐けるか?
など
少し意識するだけでも、呼吸の筋肉が呼び起こされたり効率よく息を使えるようになります。
自分に合った秒数に変えてもOKです。
🎵フリーバジィング
唇の振動を作る練習は、筋力の維持と感覚の確認にとても効果的です。これだけでも唇周りの筋肉や感覚が鈍らないように保てます。
手順
①唇を軽く閉じて息を吐いて振動させてみましょう。
無理に鳴らす必要はありません。心地よい振動を探すのがポイントです。
もし上手く鳴らなくても唇の筋肉が目覚める代わりになる効果があるでしょう。
②5秒間振動を続けてみる。
無理に長く続かなくても構いません。
大切なのは、息の力に対して唇で抵抗を生み続けて支えることです。
もし難しければ、唇の両端や顎を手で軽く触れて支えてあげるのもOKです。
振動が安定しやすくなるので、感覚がつかみやすくなります。
ポルタメントのように、音が上がったり下がったりするのも試してみましょう。
🎵 フリーウインド
音階やアルペジオを「息のスピードの変化だけ」で音の上下を表現します。吐いた息の音の高さや圧の変化を感じながら、息をどうコントロールすれば息の音が高くなるか、低くなるかを探求してみましょう。
🎵 この練習の効果
取り組むことで、楽器やマウスピースの抵抗に頼らずに息のスピードを変化させる感覚がしっかり養われます。
楽器を吹くとき、「なんとなく抵抗を感じて吹く」ではなく「自分で息の質を選んで作る」感覚の演奏に近づくことができます。
ぜひ少しずつ取り入れてみてください。
マウスピースで音を鳴らしてみたり、マウスピースに息だけ入れて同じようにやってみても面白いでしょう。
「どうやったら途中で息のスピードを変えられるか?」を試しながら観察してみてください。
参考までに以下の方法を試してみてください。
✅ 舌を持ち上げる
舌を上に動かすと、息の通る道が狭くなってスピードが上がります。反対に下に下げると息が流れるスペースが増えスピードは遅くなっていきます。舌のどのあたりから持ち上げるとコントロールしやすいかも観察してみましょう。
✅ 舌を前後に動かす
舌が前にあればあるほど息の通りが狭くなり息が速くなるかもしれません。反対に後ろに引くと息のスピードはゆっくりになるかもしれません。
✅ 上下の歯の距離を近づける
口の中の空間を狭めることで息が絞られ、スピードが増します。
どの動きがどんな変化を生むのか、ひとつずつ試して感触をつかんでみてください。
✅息の吐き方
どうすればより効率よく息を送り出せるのか、反対にセーブできるのかを探求してみましょう。
✅上下の唇の距離
唇が閉じているほど息は流れにくくなる代わりに息の圧を作りやすいでしょう。
反対に距離が離れれば息が流れる代わりに圧が下がっていくでしょう。
✅ 口笛を使う
口笛を吹くのもとても良い練習です。
舌や口の中がどう動いているかを観察することで、息のコントロールのヒントがたくさん見つかります。
🎵 フリータンギング
楽器を使わずに声を出しながらゆっくりと一定の息を出しながら、舌を動かします。
舌の動きがどうしたらスムーズに動けるか、息の流れが止まらずにタンギングできるかを探求してみましょう。
この練習を続けると、舌がよりスムーズに動かせるようになっていきます。
ブランクがあっても、すぐにスムーズなタンギングを思い出せるようになりますよ。
✅ 息だけでタンギングを繰り返す
実際に音を出さなくても、息だけでタンギングを続けます。
これに慣れると、息と舌のタイミングを合わせる感覚が磨かれます。実際にターターターと声に出した方がやりやすければそれでも大丈夫です。
✅ 発音の種類や舌の位置を変える
「ター」だけでなく、「トゥ」「テ」「チィ、ティ」など、いろいろな発音を試してみます。
舌先の当たる位置(上の歯の付け根、上顎の奥など)を変えることで、音色やスピードのバリエーションを広げられます。
✅ 効率よく早いタンギングを目指す
慣れてきたら、徐々にテンポを上げてみます。
大きく動かさなくても素早く切り替えられる「小さな動き」を探してみてください。
🌱 まとめ
楽器が吹けない日でも、こうしたワークを少しずつ取り入れることで、感覚や筋力の「貯金」を増やすことができます。
大事なのは「何もしない日を減らすこと」です。
1日3分でも、5分でも。
積み重ねていくことで、必ず次に楽器を吹くときに「あ、続けていてよかった」と思える瞬間が訪れます。
「上手くなりたい気持ち」を大切に、できることから取り組んでいきましょう。