普段僕らは生きている中で自分で信じているイメージを頼りに自分の身体を動かしています。
普通に生きている分には問題ないこともあります。
ですが、楽器を吹いたり身体を動かしたときに実際の身体の構造に沿わない身体の使い方をすることで身体が疲れやすくなったりします。
身体の解剖学的な知識をもとに自分が信じている身体のイメージや感覚をアップデートしてみましょう。
今回はホルン奏者にとって見落としがちな身体のマッピングについて紹介します。
ホルン奏者にとって見落としがちなボディ・マッピング
以下の身体の動きについて理解を深めておくとより効率よく息を吸えたり、楽に音が出せるようになるでしょう。
それぞれ解説していきます。
・頭と脊椎のマッピング
・呼吸に関わる骨と筋肉のマッピング
・腕のマッピング
頭と脊椎
人の頭は耳の後ろにあるAO関節の上に乗っかっています。
このAO関節は環椎後頭関節とも呼ばれこの関節の上に頭があります。
ただほとんどの人は頭は顔全体だと思いがちです。ですが、顔と頭は違います。
このマッピングを誤解していると脊椎を下に押し下げがちになるので息が吸いにくくなったり身体が動きにくくなったりします。
実際に実験してみましょう。
①頭は顎先まであると思いながら息を4拍吸って4拍吐く。
②頭は耳の後ろからあるAO関節の上にバランスよく乗っかっていると思いながら4拍吸って4拍吐く。
どうでしたでしょうか?①の場合、かなり呼吸しにくくなったのではないかと思います。
反対に②の場合、スムーズに息が吸えたのではないでしょうか?
呼吸に関わる骨と筋肉のマッピング
呼吸に関する身体のマッピングを正確にすればするほどより楽に音が出せる場合が多いです。
なぜなら金管楽器は唇を空気で振動させて音を生み出しているからです。
特に以下の3つのマッピングがポイントになります。
・肋骨
・横隔膜
・腹筋群
肋骨のマッピング
よく息を吸う時に肩を上げてはいけないというアドバイスをされた事がある方もいるかもしれません。ですが息を吸う時に肩は自然と上がります。
なぜなら息を吸うと肋骨が持ち上がって鎖骨も持ち上がるからです。
肋骨は鎖骨の真下にあるのでかなり上の方まで肋骨があることが分かります。
また肋骨は前のだけではなく後ろ側に関節があるので息を吸うときは後ろ側を意識すると息がたくさん吸えると思います。
横隔膜のマッピング
みぞおちの辺りから肋骨にドーム状に張り付いているのが横隔膜です。この横隔膜が収縮することで胸郭の筋肉も一緒に動き肋骨を上に持ち上げます。
これに関連してよく「お腹に息を入れなさい。」というアドバイスがあります。これは腹式呼吸を促すイメージとして使われています。
ですが横隔膜とお腹は全くの別物。横隔膜を下げるのではなく本当に息をお腹に入れようとしてしまうと息が吸えなくなってしまいます。
腹筋群
腹筋群の実際の大きさや動きを知っておくとホルンを吹く時に楽に音を出せるかもしれません。
なぜならよりたくさんの息を吐くことができるからです。
腹筋は大きく分けて3つの種類があります。
- 腹直筋
- 外腹斜筋・内腹斜筋
- 腹横筋
画像を見て分かるようにお腹の筋肉はお腹側だけではなく後ろや身体の内側にもあります。
腹直筋
外腹斜筋
内腹斜筋
腹横筋
腕のマッピング
楽器を持ち上げるときに自分の腕がどうやって動くのかを理解しておくとより楽に構えることができます。
なぜなら手首の関節や肘の関節、胸周辺にある関節が腕を上に持ち上げるからです。
例えば、腕というのは肩までだと思いがちですが、実際には鎖骨や肩甲骨も腕の一部なのでもう少し上まで腕はあります。
詳しくはこちら→https://xyzzy.site/ホルンの効率的な構え方の3つのステップ.html
実際に楽器を構えて実験してみてください。
まとめ
ここまでホルン奏者が見落としがちな身体のマッピングについて紹介しました。
自分で正しいと思い込んでいた方法や知識が不利な方向に働いていたりします。
音が出しにくかったり、息が吸いにくかったりする理由もここにあるかもしれません。
・頭と脊椎のマッピング
・呼吸に関わる骨と筋肉のマッピング
・腕のマッピング
今回の記事が実際には違っていた身体のイメージをアップデートするきっかけになればと思います。
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