ホルンを吹いて唇がバテる3つの原因と6つの改善方法

ホルンを吹いて唇がバテる3つの原因と6つの改善方法
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・練習量を増やしているのにバテてしまう。

・もっと練習したいけどこれ以上は口が限界!

・いつも途中で唇がバテて曲を吹き通せない。

 

自分も仕事でこの問題にはかなり悩まされました。

最初は合わせる時も途中で音が鳴らなくなったりして本番で無事吹き通せるか不安で仕方ありませんでした。

ですが試行錯誤を重ねていくことで以前よりもハードなプログラムをこなせるようになってきました。

唇のバテ=練習不足だと考える人は多いですが実はそれが原因とは限りません。

吹き方や歌い方、練習の仕方など色々な要素が積み重なってバテにつながるからです。

今回は唇がバテる原因と改善方法について紹介します。

 

バテは症状ではなく現象

そもそも唇がバテて吹けなくなったときにもっと練習しなきゃいけない!と思い詰める必要はありません。

残念ながら金管楽器はどんなに練習量を増やしても全くバテないように吹くことは不可能だからです。

例えばこの自動演奏ロボットですら吹き続けると人工の唇がバテて音が外れてしまいます。

どんなに技術があっても鍛えても休みなく吹き続けていればバテてしまいます。

大切なのはバテないように鍛えるのではなくバテを遅らせる吹き方に工夫することなのです。

唇がバテる3つの原因

唇がバテる原因には以下の3つが考えられます。

それぞれ解説します。

・限界を超えて練習している。

 

・唇を無理に振動させている

 

ソルフェージュ

 

限界を超えて練習している。

自分の限界を超えた音域や音量、練習量だと口はバテやすくなります。

アンブシュアを支える筋肉に負担がかかって消耗してしまうからです。

負荷をかけ唇の筋肉を鍛えることは大切ですが無理をして吹き続けて力んだ癖がついてしまうと余計にバテやすくなります。

 

ピアノ奏者や打楽器奏者は1日8時間練習してるって聞くよ?やっぱりバテって練習不足なんじゃないの?

 

ピアノや打楽器は練習しても楽器が壊れたりすることことはないよね。
むしろ腕や手の筋肉が鍛えられていくので練習量が増えれば自然と技術も上がっていきやすいんだ。

 

でも金管は無理に吹きすぎるとリード(アンブシュア)が壊れて音が鳴らなくなる。だから安易に1日8時間とか練習しようとすると危険だよ。唇を怪我したり次の日までダメージが残って練習にならなくなってしまうからね。

 

じゃあ一日どれくらいの練習量が理想なの?
最終的に練習量は人によるかな。筋肉の量も違うからね。

でも目安はどんなに多くても3〜4時間練習できたら十分かな。もっと多い人もいるけど、

自分の口と相談しながら練習していこう。

自分でベストな練習量を探していくことが大事なんだね。

 

唇を無理に振動させている。

特に息を吸うのが浅かったりすると唇を直接操作したり息を押し込んだりして無理に振動させることになります。

するとアンブシュアに負担がかかりやすくなります。

でもなー。それが分かってても呼吸が浅くなっちゃうんだよね。
どうしても人間の感覚は唇周辺の方が敏感だからね。放っておくとどうしても呼吸は淺くなりがちなんだ。

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息が吸えていないと無理に息を押し出さなくてはいけなくなるので身体が力んじゃう。

反対に無理に息を吐いていると身体が力んで吸えなくなっていっちゃう。

これがバテの正体。

 

息が楽に流れ続けていることが大事なんだね!

 

 

ソルフェージュ

音程やリズム、音色などがあらかじめイメージ出来ていないと他の楽器と合わせた時に音色がズレていたり微妙に音程が合っていないためバテやすくなります。

どうしても身体が反応するまでに時間がかかってしまうからです。

音楽のイメージって大切だね。

 

吹く前にどれだけ準備ができるからだよね。音源を聴いたり実際に歌ってみたりすると良いよ。

 

 

 

 

バテの対処方法

ここからは唇の消耗を減らす方法について紹介します。

以下の6つです。それぞれ解説します。

・こまめな休息

 

アレクサンダーテクニーク

 

・楽譜に書かれた音楽を具体的にイメージする。

 

身体の構造に沿った吹き方に工夫する

 

限界値を伸ばす

 

・クールダウン

 

こまめな休息

バテを防止するには少しでいいから唇をマウスピースから離す時間を作ってください。

自分も以前は本番で音を外したくなくて休める時間があっても唇を楽器から離さないようにしていました。ですがその方が唇の血流が悪くなってバテるのが早まってしまうんです。

シンドイ本番ほど以下の2つを意識すると唇が消耗にくくなるでしょう。

・数小節であっても素早く唇を離せるように訓練しておく。
・水抜きをするときに焦らず時間をかける。

 

お客さんって意外と待ってくれるから本番中は焦らず水抜きしようね。その方が堂々としてるように見えるよ。
ボクも焦って水抜きしちゃってたかも。

 

余裕を持って吹けるラインの限界値を伸ばす。

普段の練習から余裕を持って吹けるラインの幅を伸ばしていきましょう。

特に以下の3つの限界値を伸ばせるようになると効果的です。5分10分という短い時間でも構わないのでチャレンジしてみてください。

・吹き続けられる時間

 

・音域の広さ 

 

・音量の幅

 

 

 

アレクサンダーテクニーク

アレクサンダーテクニークを使うことで頭と脊椎の関係が有利になればそれだけ、身体全体の動きが良くなります。

 

頭と脊椎の動きとは?

頭の後ろ側にある筋肉は肋骨周辺や骨盤周辺にまで関連し合っています。

なので頭の動きが制限されたりすると呼吸に影響が出て息が流れにくくなります。

頭と脊椎の動きって何?
下の画像を見てみて?頭蓋骨ってAO関節でバランスを取り続けているんだよね。
ホントだ!首の関節の上で動いているんだね。
でもこの動きが制限されていると体全体の動きや肋骨の動きが制限されてしまうんだ。息が流れていかないのでバテやすくなる。
身体の動きは連動し合ってるんだね。

 

ここで実験をしてみましょう。

①普段通り、10秒間真ん中のFをロングトーンする。

 

②頭を脊椎の方向に押し下げて10秒間真ん中のFをロングトーンする。

 

③2をやめて10秒間真ん中のFをロングトーンする。

 

④頭の繊細な動きが身体全体に影響すると思いながら10秒間真ん中のFをロングトーンする。

どんな違いがあったでしょうか?おそらく②が最もバテが速く、④がバテにくくなったのではないでしょうか?

 

 

 

身体の構造に沿った吹き方に工夫する

構え方や息の吸い方など実際の身体の構造や動きに沿ったやり方でないと負担がかかって無理が出てくることがあります。

 

息の吸い方と吐き方のヒント

 

楽器を吹くとき普通は息は前に吐こうとしますよね。

ですが実際は息を吐くときに空気は上方向に進んでいます。

このような実際の身体の構造に沿って吹くことで効率良く音を出すことができます。

こちらも合わせて読んでみて

全ての管楽器奏者に役立つ!腹式呼吸の3つのポイント

 

構え方のヒント

構えたときに本来必要のない身体の力みを生んでしまうとバテやすくなります。息の流れを制限してしまうからです。

構え方と呼吸ってあまり関係ないように見えるけど?

 

腕を動かすときに肋骨の動きを制限したり呼吸に関係する筋肉の動きを邪魔しちゃうんだ。

・斜角筋。

 

・肋骨挙筋、

 

・大胸筋、

 

・小胸筋、

 

・脊柱起立筋

 

・菱形筋

 

・広背筋

こんなにたくさんの筋肉が呼吸に関連してるなんて知らなかったなあ。

 

こちらも合わせて読んでみて

楽に楽器が持ち上がる!ホルンの構え方の5つのポイント

 

 

音楽を具体的にイメージする

リズムやテンポ、ダイナミクスなど詳細にイメージできていればいるほど唇はバテにくくなります。

自分が何を表現するかが明確であればあるほど身体の準備がしやすくなるからです。

以下の取り組みをしてみましょう。

・歌ってみる。

 

・音楽を聞いてイメージを作る。

 

・楽譜を読んで曲の流れや和音を分析する。(アナリーゼ)

歩く場所が分からないで歩くのと分かっている状態で歩くのとでは身体にかかる負担が違ってきますよね。

それと同じようにあらかじめ詳細なイメージができていれば、少ないエネルギーで音を出すことができます。

 

合わせて読んでほしい!

大人から独学でソルフェージュを学ぶときの3つのポイント

 

クールダウン

練習し過ぎた後はしっかりとクールダウンをして唇をケアしてあげましょう。

特に吹きすぎた後にケアをしないと次の日に変な癖が残ったり唇が開いたままになってバテやすくなってしまいます。

・pでのロングトーン

・中音域のリップスラー、

・ノータンギング 

などの練習がオススメです。

 

今までやってなかったからクールダウン取り入れてみよう!

 

まとめ

ここまで唇のバテを減らす方向について紹介してきました。

唇のバテを完全に無くすことは無理かもしれませんが、以下の6つを取り入れて練習すれば今よりも長い時間吹き続けられるでしょう。

・こまめな休息

・限界値を伸ばす

・アレクサンダーテクニーク

・身体の使い方

・音楽を具体的にイメージする。

・クールダウン

ここまでお読み頂きありがとうございました。

 

イマイチ原因がわからないかったり自分が身体をどうやって使っているかは一人では気が付かないことがあります。

もし直接相談したい方がいたらレッスンを受けてみてくださいね。

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