「ロボットが吹いてるみたいな演奏だね。」そんな自分が音楽的な演奏ができるようになるまで

「ロボットが吹いてるみたいな演奏だね。」そんな自分が音楽的な演奏ができるようになるまで
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・才能がないからやめたほうがいい。

ロボットが吹いてるみたいな演奏だね。

・君の演奏には光るものがない。

 

今でこそ素敵な演奏だねと言われるようになりましたが正直な話、周りからこんな評価を受けてきたことがありました。

 

それでもホルンでやっていきたい。諦めたくないと思う気持ちがある反面、「音楽的な才能がないとどんなに練習しても限界がある。」と思い込んでいました。

 

だから練習がどこかで無意味だと感じていたし、どんな方法であれば自分の演奏がもっと良くなっていくか見つからずにいました。

 

ただ音大最後の演奏会でソロを任されたのですが、聞いていた先生方から凄く良かったと肯定的な言葉を頂いたのです。

 

そこから才能がなくても音楽的に演奏するための方法が実はあるのではないか?とうっすら思うようになっていきました。

 

ソルフェージュの訓練を試みた

自分がまず取り組んだのはソルフェージュでした。

高校生の頃に音大受験のため一時期取り組んだことはありましたが、本気で本格的な訓練に取り組んだことが無かったからです。

いつもメトロノームからズレてしまったり、アンサンブルしているときに自分だけ速くなっていたりしました。

なので3年ほど前から有吉尚子さんのソルフェージュレッスンを受けるようになりました。

できる限り毎日(10分だけ)ソルフェージュのレッスンで渡された課題や訓練方法を取り組むように習慣化していきました。

そうすると吹いているときにテンポが安定してきたり、今自分が速くなっているのか遅くなっているのかが感覚的に判断できるようになっていきました。

具体的な訓練内容はこちらの記事を読んでみてください。↓

大人から独学でソルフェージュを学ぶときの3つのポイント

 

演技と演奏の共通点から学んだこと

ソルフェージュの訓練に取り組むようになってからリズム感やテンポ感は安定していきました。

でもどうすればもっと中身にある演奏になるなるだろう?とも感じていました。

話は変わりますが、自分は小さい頃からアニメが好きでその流れでyoutubeの動画で演技の仕方や訓練方法なんかも見ていました。

そこでは表現についての様々な理論を学ぶことができました。

すると

演奏には「正しく音を奏でるための技術論はあるけど演じることについての理論はないな。」と気がついたのです。

もしかしたら演奏のための理論を作ってしまえばもっと音楽的な表現をするためのヒントになるかもしれない。

と仮説を立てました。

そこから演技のワークショップにも参加して学んだことを演奏に置き換えて試したり実際にレッスンで体験して頂きました。

そして少しずつ演奏論のようなものができてきました。ご興味ある方はこちらのPDFをご覧ください。

音楽表現を豊かにする6つの基本

 

練習の目的が音を外さないことになっていた

そうやって探求していると以前の自分がロボットのように棒吹きになっていた理由がわかってきました。

音を外さないように練習していたのです。

特にホルンは他の楽器よりも音を正確に当てることが難しい楽器です。

だからこそ余計に音大で先生からの評価が下がらないように一生懸命外さないための練習をしていました。

けど本来は自分がイメージしている音楽の世界観や奏でたい音楽、作曲者が求めている表現を奏でるために練習する必要があったのです。

表現とは全く正反対の状態でした。

 

コンクールで音楽的な演奏ができた理由

コンクールに限らず自分は今この瞬間にだけに集中する時が良い演奏ができることが多かったです。

けどいつもステージの上で演奏すると色々なことが頭を駆け巡りました。

もしミスしたら、、上手くいかなかったら、、

このままいけば完璧に吹けるかもしれない。

この状態だと演奏に集中することができていないのです。

失敗を引きずったり不安になって音楽を奏でる一瞬一瞬を大切にできない。

そういう時は決まって音を外してしまったり身体の動きが硬くなっていました。

反対に良い意味での開き直りというか「もうどうなってもいいや、、思い切り吹こう!」と思った時ほど身体が自由に動いて自分でも驚くほど豊かな音楽を演奏することができました。

 

音楽は瞬間の芸術

高校生だった頃の佼成ウインドの上原先生のレッスンで「音楽は時間の芸術だ。」と教わりました。

この言葉の意味は音楽は瞬間にしか生まれないという意味なのだと思います。

演奏者にとっては常に今この瞬間の積み重ねでしかありません。

すでに出てしまった音はどうすることも出来ないしイメージはできても未来に飛んで演奏するなんてことはできません。

だから演奏するときは自分への期待を手放すことが良い演奏をするためのヒントになると思っています。

未来への期待があるから上手くいかなかった過去を引きずってしまうのだと思います。

なんてこんな偉そうなことを書いていますが正直まだまだ未熟な部分ばかり。

でも前よりも前進したとは思うので少しでもお役に立てれば嬉しいです。

 

 

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