ホルンのアンブシュアを矯正する前に確認したい4つのポイント

ホルンのアンブシュアを矯正する前に確認したい4つのポイント
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アンブシュアの見た目が悪いことがコンプレックスでなんとかしたい。

 

『アンブシュアを変えた方がいい』とアドバイスされたけど吹けなくなるのが不安で矯正するか迷っている。

 

・もっと上手くなりたいけど今のアンブシュアだと限界を感じている。

 

 

アンブシュアとは管楽器で音を出す際の口の形のことです。

一般的にアンブシュアの状態によって楽器の上達が左右されると言われています。

なのでアンブシュアの見た目を気にしてしまう人は多いかもしれません。

ただ安易に自分でアンブシュアを矯正するのはかなり危険な行為です。闇雲にアンブシュアを変えて吹けなくなる可能性が高いからです。

自分も以前はアンブシュアの変更を何度もして失敗を繰り返してきました。一度変更してしまうと安定して吹けるようになるまでかなり時間がかかります。

なのでかつての自分のように無意味に貴重な時間を失って欲しくないなと思い、この記事ではアンブシュア矯正を行う前のチェックポイントについて紹介します。

安易にアンブシュアを矯正をする前に以下の4つを検討してみてください。

 

アンブシュア矯正の目的を明確にする。

まずはじめにアンブシュアの変更を検討するまでに至った理由がななんなのかを改めて洗い出してみましょう。

なぜアンブシュアを変えようと思ったのか?を考えてみてください。例えば

・ハイトーンが苦手。

 

・音色が気に入らない。

 

・発音が汚い。

 

・低音域が鳴りにくい。

 

・すぐに口がバテてしまう。

こうすることで本来自分が何をしたいのかが明確になります。

アンブシュア変更はあくまで手段でしかありません。本来なら一番優先することは楽器が上手くなることだからです。

 

 

アンブシュア以外の要素を変える

ある程度洗い出したらアンブシュアの変更をしなくてもそれらの問題が解決できるか改めて検討してみましょう。

正直な話、多少見た目が変でも極端に問題が無ければ無理に変える必要はありません。

本人が気にしているだけで実はそんなに問題がない場合があるからです。

逆に見た目が綺麗でなければいけないと思い込んでアンブシュアを変更し、音が全く出なくなってしまった、吹けなくなってしまったという話をよく聞きます。

アンブシュアというのは様々な要素のバランスによって成り立っています。

なのでアンブシュアの矯正をする前に口の中の状態、息の吐き方や構え方、発音の仕方などの要素を変えてみましょう。

その方が自然とアンブシュアも改善していく可能性があります。以下の要素を工夫できるか検討してみましょう。

 

息の流れ(呼吸の仕方)

アンブシュアは息の流れとのバランスによって成り立つものです。

だから息の吐き方などに何かしら問題があるとアンブシュアにも負荷がかかってしまいやすいです。

特に以下の項目をチェックしてみましょう。

・息が十分に吸えているか?

 

・お腹を使って十分に楽器の中に息を送り込めているか?

 

無理やり息を吹き込んでいないか?

 

・息を吸うときや吐くときにお腹を固めてしまっていないか?

世界的に有名なプロ奏者でもアンブシュアの問題の80%以上は呼吸が原因とも言われるくらいです。

以下の記事を参考にしながらここを改善できるか工夫してみてください。

全ての管楽器奏者に役立つ腹式呼吸の4つのポイント

ホルン奏者にとって見落としがちなボディマッピング

 

 

口の中の広さ

口の中が広すぎたり反対に狭すぎると高い音が出なかったり、音域がコントロールしにくくなることがあります。

曲を吹いているときや基礎練習をしているとき自分の口の中がどうなっているか観察してみましょう。

特に以下の項目に注目してみてください。

・上の歯と下の歯の距離。

 

・音が上がったり下がったりするとき舌がどのように変化しているか

 

・極端に口の中を広くとりすぎたりしていないか。

 

・口の中を狭くしすぎて息が流れにくくなっていないか。

自分の音をよく聞きながら吹きやすい場所を探してみましょう。

 

 

 

発音(舌の使い方)

タンギングが苦手だからといってアンブシュアに問題があるとは限りません。

舌の力に頼りきった発音をしていると出だしの音が汚くなってしまったり、速いテンポでのタンギングが苦手になる場合があるからです。

以下の記事を参考にノータンギングの練習を取り入れてみてください。

ノー-タンギング練習の実際のやり方と練習効果について

 

 

楽器の構え方

構え方や右手の使い方が効率の良い方法で吹けば楽に音が出せるようになったり音色や音の響きも良くなっていきます。

以下の記事を参考にしながら自分の構え方を工夫してみましょう。

楽に楽器が持ち上がる!ホルンの構え方の5つのポイント

楽に構えるようになっていけばアンブシュアの見た目も自然と改善することがあります。

 

 

 

自分のアンブシュアタイプを調べよう

アンブシュアにはマウスピースをセットするときの位置によって人それぞれに合ったタイプが存在しています。

・アンブシュアタイプ1 (超高位置タイプ)

 

・アンブシュア タイプ2(中高位置タイプ)

 

・アンブシュア タイプ3(低位置タイプ)

このタイプに沿ったマウスピースの置き方によってアンブシュアの作り方や奏法で少しずつ違いが出てきます。

以下の記事を参考に自分のタイプを調べてみましょう。案外そのままの吹き方の方が合っている場合があります。

金管楽器の3つのアンブシュアタイプについて

 

アンブシュアの見た目ではなく音で判断する

下顎をもっと貼りなさい。

 

・アンブシュアが動いてはいけない。

 

・マウスピースの位置を真ん中にしなさい。

実はアンブシュアの見た目だけ変えてもあまり意味はありません。

なぜなら音を出すためには、息の力や口の中の広さ、マウスピースの密着なども必ず必要になるからです。

それらの要素をバランスよく使っているからアンブシュアも安定してくるんですね。

実は教則本に載っているような正しい形にしようと意識し過ぎてしまうとバランスが崩れてしまい調子が崩れてしまう原因になります。

出ている音が仮に良かったとしても「見た目が正しい形じゃないからダメだ。」となって判断を誤ってしまいやすいのです。

顎をもっと張らないといけない!

いくら正しいアンブシュアでも出ている音が悪ければ意味はありません。

自分の音をよく聞いて、出ている音が以前よりも良い方向にいってるかという点で判断してみてください。

結果的にアンブシュアの形も良い方向に向かっていきやすいです。

 

それでもアンブシュアを矯正する方がいいと判断した方へ。

先ほどの項目を検討してみて何も改善されない場合や、それでもアンブシュアを変えたほうがいいと判断した場合にのみここから先を読んでみてください。

新しいアンブシュアに変えた場合、無理に練習しようとするとかえって逆効果です。

なぜなら慣れないやり方だと以前のやり方に戻りたくなって不安定になりやすいからです。

最初は練習メニューも簡単にしたり練習時間も減らして構いません。無理のない範囲で取り組みましょう。

状況によっては以前のアンブシュアに一旦戻すことも視野に入れてみてください。

例えば15分だけ新しいアンブシュアで吹いてそのあとは元のアンブシュアで吹いてみるなどです。

人間の脳は変化することを嫌います。なので最初取り組むときは短い時間で構いません。

徐々に時間をかけて変えていったほうが結果的に変化しやすくなります。

 

まとめ

ここまでアンブシュアの矯正を行う前にチェックしたいポイントについて紹介しました。

アンブシュアの良し悪しは表面上の形では決まりません。

なぜならアンブシュアを変えるよりも大切なことは今よりも効率よく音を出せているか、楽に吹けているかどうかだからです。

基本的にアンブシュア自体を極端に変えることは吹けなくなるリスクを伴うため、あまりお勧めはできません。

ぜひ安易にアンブシュアを矯正するのではなくそれ以外の要素を変えてみましょう。

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

 

 

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